• 古民家の基礎知識

古民家の屋根の修理はDIYでできる?事例や屋根材ごとの特徴もご紹介

古民家の屋根が傷んでいたり、雨漏りなどの症状があったりしたときは、早めの修理が肝心です。その際、「屋根材は何を選ぶべき?」「屋根修理のDIYは可能?」など、疑問に感じることも多いのではないでしょうか。

そこで今回は、古民家に合った屋根材の種類について解説するとともに、リフォーム事例や屋根修理のDIYについてご紹介します。

古民家の屋根のリフォーム・修理事例

まずは、屋根リフォームの事例から見ていきましょう。山間に佇む築80年のこちらの旅館は、古民家ならでは古き良き風情が魅力。しかし、和瓦の部分からの雨漏りがお悩みでした。和瓦をトタンに交換し、屋根の機能改善と、見た目のリニューアルを図った事例です。

築80年の旅館の屋根を和瓦からトタンにリフォーム

雨漏りの原因は、和瓦に生えたコケ。コケが瓦の間にまで繁殖し、コケの水分によって屋根下地が水浸しになってしまっている状態でした。

和瓦は素晴らしい耐久性を持っていますが、湿気や日当たりなどの環境条件によってコケがつきやすいという側面も。特に山に囲まれた環境下では、知らずのうちにコケが屋根を侵食してしまうケースは少なくありません。

この場合、隙間が少なく、コケに強い金属製のトタンのほうが適していることがあります。昔のトタンはサビやすいという欠点がありましたが、今のトタンは進化しているため有力な屋根材のひとつです。

トタンの色を工夫して純和風から和モダンな外観に

古民家と相性がいい濃い色のトタンを採用したことで、純和風から和モダンな佇まいに変化しました。古民家の趣におしゃれさが加わり、現代に馴染みやすい外観に。このように、トタンは建物の印象を変えたいときにも役立ちます。

ただし、トタンは金属ですから熱を吸収しやすく、室内温度を上昇させてしまうという欠点があります。トタンと屋根下地の間に断熱材をはさむなど、熱を伝えない工夫が必要です。

断熱材の使用の有無は施工会社によって異なりますが、ハレノヒ住まいでは、屋根材にトタンを採用するときは必ず断熱のご提案をさせていただいています。

古民家の屋根材の種類ごとの特徴

古民家で使われることの多い屋根材は、主に「和瓦」「化粧スレート」「トタン」の3種類です。耐久性、耐震性、メンテナンス性など、それぞれ異なる特徴を持っています。

この3種類は重さもそれぞれ異なり、実は瓦のように重い部材からトタンなどの軽い部材に変えると、建物の構造が崩れてしまうこともあります。既存の古民家の屋根を他の部材に変えたい場合は、専門業者に構造上の問題が生じないかを確認しましょう。

和瓦

和瓦とは、粘土を1,000~1,250℃の高温で焼いてつくった瓦のことで、日本瓦や粘土瓦、陶器瓦とも呼ばれます。日本の気候に合っていることから、古くから日本の建築物に採用されてきました。瓦には他に、セメントを主原料としたセメント瓦も存在しますが、こちらは和瓦とは全く異なる屋根材です。

耐用年数が長く塗装が不要

和瓦の最大のメリットは、耐久性の高さです。瓦自体の耐用年数は、50年〜100年といわれています。 紫外線やサビに強く、水分をほとんど吸収しないため、耐候性と耐水性が不可欠となる屋根材の性能を十分に備えています。

また、多くの屋根材は耐久性を保つために塗装が必要になりますが、もともと耐久性のある和瓦は塗装の必要がありません。 耐用年数が長いうえ塗装によるメンテナンスが不要のため、ランニングコストを抑えやすいというメリットもあります。

耐震性が低い 

和瓦のデメリットを挙げるとすると、重さです。和瓦は次で紹介する化粧スレートと比べ、約3倍の重量があります。重さがなぜ短所になるのかといいますと、建物の耐震性に影響するためです。

屋根が重いと建物の重心が高くなりますが、地震のときは重心が高い建物ほど揺れ幅が大きくなるもの。そのため耐震性を考慮するならば、屋根は軽いほうが望ましいのです。ただし、建物の耐震性は躯体の強さも関係するため、和瓦だからといって一概に耐震性に問題があるわけではありません。

近年では、和瓦の重さをカバーする軽量瓦も開発されています。必要に応じて検討してみるといいでしょう。

化粧スレート

化粧スレートとは、セメントに繊維素材を混ぜて加工した、厚さ5mm程度の板状の屋根材です。現代住宅で定番の屋根材となり、古民家では屋根リフォームの際に化粧スレートに張り替えるケースも見られます。

軽くて耐震性に優れている

先ほどご紹介したように、化粧スレートは和瓦に比べ軽量なため、 耐震性を確保したいときに有効な屋根材です。 さらに、他の屋根材に比べて安価で施工もしやすく、材料費や工事費、工期を抑えることができます。

耐震性に優れ、安価でかつ工期を短く抑えられる点が、普及率の高さにつながっているのでしょう。

雨漏りしやすい

軽量かつ安価という優れたメリットを持つ化粧スレートですが、耐久性はそれほど高くありません。 劣化するとひび割れが生じやすく、雨漏りを引き起こす可能性があります。

そのため、化粧スレートは定期的に塗装をして塗膜保護する必要があります。塗装の頻度は10〜15年間隔が目安。初期費用は安価ですが、塗装によるランニングコストがかかる点に注意しましょう。

トタン

トタンとは、鉄に亜鉛めっきを施した鉄板のことです。厚さは平均0.35mm前後ととても薄く、鉄のサビやすいという欠点を亜鉛でコーティングすることで、防水性を高めています。トタンは高度成長期に普及した建材で、この時期に建てられた古い家屋でよく見られます。

雨漏りしにくい

材料を一枚ずつ重ねて張っていく和瓦や化粧スレートと異なり、トタンは一枚のサイズが大きいため継ぎ目が少ない屋根材です。屋根の勾配が緩い場合でも隙間から雨水が侵入しにくく、雨漏りしにくい点がメリットです。

さらにトタンはかなり軽量で、その重量は和瓦のおよそ10分の1。和瓦の重さによる耐震性の懸念や、化粧スレートの雨漏りのリスクを抑えたいときに、候補に挙がる屋根材といえるでしょう。

室内の気温が上がりやすい

トタンは鉄でできているため、表面がとても熱くなります。 夏場の屋根の表面温度は70℃に達することもあるほど。前述したようにトタンは薄いため、この表面温度が屋内に伝わり、室内温度を上げてしまうというデメリットがあります。

また、亜鉛コーティングは経年劣化によって剥がれてくるため、化粧スレートと同様に定期的な塗装が必要です。形状的に雨漏りしにくいといえども、塗装が剥げてサビが生じれば、屋根に穴が開いてしまうことも。こうなると雨漏りのリスクが一気に高まるため注意しましょう。

古民家の屋根の修理はDIYでできる?

古民家の屋根の修理をDIYでやってみたい、と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

古民家の屋根は下地も傷んでいることが多いため、 張り替えや部分的な修理でも、適切な木工作業が必要です。また、当然ながら高所作業になるため、転落防止といった安全対策も欠かせません。

さらに、古い化粧スレートやセメント瓦には、アスベストが含まれている可能性もあります。 以上のことから、屋根の修理や張り替えは専門業者に委託するのがおすすめです。

古民家の屋根リフォームまとめ

屋根材は種類によって耐久性やコストに違いがあるため、住まいに求める性能や将来のメンテナンス計画を踏まえて選択することが大切です。そして何より、劣化を見つけたら早急に対処しましょう。放置すると深刻なダメージに発展することがあります。

ハレノヒ住まいでは、古民家鑑定士1級を持つスタッフが古民家の修理・リノベーションまで、トータルに対応させていただきます。古民家に不安を感じることがありましたら、いつでもお気軽にご相談ください。

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