• 古民家の基礎知識

古民家の換気性能は優れている?夏も過ごしやすい理由とは

古民家は現代の住宅と比べると、換気性能が非常に優れていることをご存じでしょうか?風通しが良いので、夏場でも涼しく快適に過ごせます。

今回は古民家がなぜ過ごしやすいのか、風通しの工夫や湿気対策、それに伴うデメリットまで詳しく解説します。

古民家購入を検討している方や換気性能について知りたい方は必見です。


古民家の換気性能はとても優れている

古民家は換気性能が非常に良く、夏でも過ごしやすいというメリットがあります。ではなぜ換気性能に優れているのでしょうか。

ポイントは「風」と「湿気」の2点に配慮した住宅構造。古民家にはこの2つが備わっています。

ここからは換気性能に優秀な古民家の特徴について解説していきます。


開放的な間取りなので風通しが良い

古民家は現代住宅にはない優れた通気性を備えています。その理由は開放的な間取りです。昔はエアコンなどの冷房設備がなかったため、間取りの工夫によって暑さを軽減しようと考えられていました。

古民家の多くは天井が高く設計されており、見上げると大きな空間が広がっています。天井部分にスペースを作ることで、部屋全体の風通しが良くなり、上部にこもった暑い空気を入れ換えてしてくれるのです。

また開放的な空間は、視覚的にも涼しさ・快適さを感じやすくしてくれます。


夏の風向きを考えて建てている

どの地域にも季節ごとに入りやすい風向きがあります。古民家は夏に多い風向きに適応して建てられているため、家の中に風が入ってきやすいのです。

また、部屋を壁で仕切らない造りも風が入りやすいポイント。現代のように分厚い壁で区切るのではなく、障子やふすまを使って自由に開け閉めすることで、家の中の風を全体に行き渡らせるようにしています。

例えば、静岡県の8月は南向きの風が多いとの調査結果が出ています。そのため東西に長い家屋を建て、南側と北側に大きな窓を設置し、南から北へ風がうまく流れるように工夫されています。

地域によって風向きは異なりますが、昔の人はそれぞれの風向きを考慮した家造りを行っていたようです。


湿気を開放しやすいように設計されている

日本は高温多湿であるため、家の中に湿気がたまりやすい傾向にあります。古民家は特に床下からの湿気が室内に入りやすいので、それを防ぐような設計で建てられています。

天井裏に小窓を取り付け、風が抜けるように工夫。現代の換気システムのような機能です。トイレや浴室を屋外に設置しているのも湿気を防ぐのが狙いです。

湿気から起こる腐食やシロアリ対策には、ヒノキ・ケヤキなどの頑丈な木を使用。湿気を吸いやすい土壁を取り入れることも湿気を逃がすアイデアの一つです。

このように古民家には湿気をため込みにくい工夫が数多く見られます。


古民家での生活が夏でも快適な理由

伝統的な工法で建てられた古民家は、非常に理にかなった暑さ対策が取られています。現代の家では見られないような造りや設備のおかげで、エアコンがなくても快適さをキープできているのです。

ここでは古民家が夏の暑い時期でも快適に過ごせる理由について紹介します。昔の人が考えたさまざまな工夫は、現代における暑さ対策にも必ず役立つことでしょう。


庇や軒が暑さや雨から守ってくれる

家の中に熱が入ってくる原因は、約70%が「窓」と言われています。そのため夏場の暑さを軽減させるためには、窓の日よけが非常に重要なポイントです。

多くの古民家には庇や長い軒が設置されており、強い日差しを防ぐためにこれらの設備が大きく役立っています。昼間は高い位置から太陽の光が当たりますが、庇や軒が直接的な光の侵入を和らげてくれるのです。

庇には暑さだけでなく雨から守ってくれる効果もあります。夏の暑さと梅雨の雨を二重で防ぐとても便利な設備です。

時間や方角によっては、すだれや庭木も日差しからカバーしてくれます。古民家にはこれらがしっかりと備わっているため、夏でも涼しく過ごせるのです。


瓦屋根や茅葺き屋根が太陽光を和らげてくれる

古民家と言えば瓦屋根や茅葺き屋根を想像する方も多いですよね。そんな古民家を象徴する特殊な屋根に暑さを和らげる効果があると言われています。

瓦屋根は瓦の下にわら葺きや土を敷いた構造なので、太陽光からの強い日差しを遮ぎってくれるのです。

また茅葺き屋根はしみ込んだ雨水がゆっくりと蒸発させるため、気化熱が建物を冷やそうとする効果があります。

昔は瓦屋根や茅葺き屋根が積極的に採用されていましたが、現代では希少価値が高くなかなか手に入りません。暑さ対策における古民家ならではのメリットと言えるでしょう。


土壁が昼間の温度上昇を防ぐ

古民家に利用されている土壁は、通気性・調湿性・調温性に優れています。これらのメリットにより、家の中の温度上昇を和らげるのです。

土壁の表面には小さな気泡があり、自動的に外と中の空気を入れ替えてくれます。空気循環が頻繁に行われることで、熱や湿気がたまりにくく、結果として暑さを防ぎます。

また土壁に風が当たると、壁表面の水分と風が混ざり涼風を作り出してくれるメリットも。家の中を吹き抜ける風が冷たいため、爽快な気分で過ごせます。

現代住宅は気密性が高く、暑さ対策には空調・冷房設備が必須。土壁の古民家はそのような工事を行う必要がありません。コストを抑えられるのも嬉しい点と言えるでしょう。


その代わり古民家の冬は寒さ対策が必要

これまで説明してきたように、古民家は換気性能に優れているため、夏でも涼しく快適に過ごせます。一方で、冬は寒いデメリットをきちんと理解しておきましょう。

通気性に優れているのは、家の中に隙間が多いから。気密性がほぼないため、風が入ってきやすい環境が作られています。つまり断熱対策をしていなければ、外気と同じ気温になり、厳しい寒さに耐えなければなりません。

また現代住宅にあるような断熱施工がないことも古民家が寒いと言われる原因の一つ。家全体の熱は約58%が窓から逃げていくと言われているため、寒さ対策にはまず「窓」のリフォームが第一ステップです。

二重構造の窓に取り換えることに加え、窓の隙間をなくす改修工事も同時に行いましょう。断熱用の窓に替えると、気密性がアップし家の中にある熱が逃げにくくなります。また冷たい外気が入ってくるのを防ぐ効果も。

冬が寒いという理由で古民家を敬遠する方もいますが、しっかりと対策を取れば冬でも快適に過ごせす。古民家にはそれに勝るメリットがたくさんありますので安心してください。


古民家の換気性能まとめ

伝統的な古民家には、現代住宅にはない優れた換気性能があります。

その理由は冷房設備がない時代に暑さ対策として工夫された建築構造。風通しが良い開放的な間取り、家の中に風が入りやすいような設計、湿気を逃がす広々とした構造、など換気性能を高めるためのポイントが多く備わっています。

また庇や軒、屋根、土壁など家を形成する古民家ならではの構造も暑さ対策に最適です。

一方、冬は寒さを感じやすいため、断熱工事が必要となることは覚えておきましょう。

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