日本の伝統的な建築方法で建てられている古民家は、現代的な素材を取り入れて和モダンテイストの住まいにリノベーションしやすいのが特徴です。
古民家のリノベーションで和モダンテイストの住まいを作るポイントを、事例と合わせてご紹介します。
確実な定義が定まっていない「和モダン」スタイルですが、一般的に「和モダン」といわれるスタイルには細部に様々な特徴があります。ポイントを押さえ、リノベーションの内容を具体的にイメージしていきましょう。
「和モダン」とは、畳や梁といった純和風住宅に見られる特徴と、フローリングや窓といった現代の一般住宅で使用される素材を組み合わせたインテリアのスタイルです。
木やい草など自然素材が醸し出す温もりある雰囲気のなか、高さのある椅子やテーブルなど使い勝手の良い現代的なライフスタイルで生活できます。
古民家を和モダンスタイルにリノベーションするポイントをご紹介します。ぜひ参考にしてください。
障子やふすまの代わりに窓や建具を取り付けると、一気に現代的な印象に。カーテンではなく和紙のロールスクリーンを選ぶと、畳や梁とも調和します。
塗り壁、木材、石、植物など、自然素材は木造の古民家との相性が良いです。心が安らぐ心地よい住まいの一間に、自然素材は欠かせません。
床をフローリングに改修しつつ、一部畳のスペースを残しておくと、和風ならではの落ち着いた雰囲気を演出することができます。
一般的な長方形の畳のほか、正方形の琉球畳もおすすめです。カラーバリエーションも豊富なので、モダンな印象になります。
梁や柱など目に見える木材を増やすとぬくもりある印象になります。木材の色はフローリングや建具などのブラウンの色味と合わせると、空間全体に統一感が生まれます。
二階建ての物件でも、吹き抜けを作って梁を見せることが可能です。
朱赤や山吹色など、派手過ぎずも鮮やかな日本の色彩を取り入れると、落ち着きのある洗練された印象になります。
梁や柱の黒や深いブラウン、畳の若草色といった純和風住宅に見られる色とも相性が良いです。
天井の傾斜部分に丸型のペンダントライトを用いると、四角いシーリングライトとは違った現代的な印象を加えられます。
色味は温かみがあり、木材の色味とも馴染みのよい黄色やオレンジ系がおすすめです。
駿河区のO様邸は、リビングに所々洋風素材を使用し、落ち着きの中にも華やかさのある空間に仕上げました。
ステンドグラスをあしらった照明を吊り下げ、彩りをプラス。洋風な雰囲気がありつつもレトロな味わいがあるので、伝統的な家屋にもマッチしています。
リビングの壁の一部をレンガ調に。家族団らんの場が明るい空間になるよう、深みのあるブラウンの木材の建具に対して、レンガは柔らかなベージュ系を採用しました。
焼津市のM様邸です。和室の一部にはモダンな印象の強い幾何学的な模様の壁紙を採用。畳のい草色に合わせ、部屋全体の統一感を意識しました。
白とブラウンで統一したインテリアで空間全体に統一感を出した、駿河区のU様邸。趣深い梁を活かした施工を心がけました。
天井を高くする工事を行ない、開放的な居室へ。新たに生まれた空間で梁を見せたりペンダントライトを取り入れたりと、住む人や訪れる人を「魅せる」住まいに仕上げました。
フローリングの色味は柱や梁の濃いブラウンに合わせ、空間全体を引き締めました。塗り壁の白とのコントラストも印象的です。
施工範囲や材料の違いに加え、施工前の点検箇所が多いように、古民家は物件によって状態の差が大きいです。そのため、リノベーション費用には幅が出やすくなります。
ご参考までに、以前当社が担当したお客様の場合、お手持ちの古民家全体をリノベーションする際の費用相場は2000万円程でした。
当時の施工箇所は、キッチン、風呂、トイレといった水回り、床、屋根、耐震補強です。
部分的なリノベーションでも、例えば既存の畳をそのまま活かす場合、元の畳を裏返せば使えるのか、ひっくり返さず畳表と畳縁を新しく交換するのかでかかる費用が変わります。
費用や施工内容は、お客様お一人お一人のご要望に柔軟に対応しておりますので、ぜひご相談ください。
「和モダン」は、古き良き純和風住宅のぬくもりある素材と現代の住み慣れた様式、それぞれの魅力が引き出されたスタイルといえます。
お客様が今住んでいる、またはこれから住む古民家をより住みやすくするために、何を残して何を変える必要があるのか、一緒に理想の古民家暮らしを具現化していきましょう。
