• 古民家の基礎知識

古民家を防音リフォーム!方法や費用をご紹介

木材や土壁、畳のい草など、自然素材でできた古民家は吸音性に優れた住まいです。一方、遮音性は高くないため、音漏れや騒音が気になることがあるかもしれません。


古民家の遮音性能が高くないのは、プラバシーがそれほど気にされなかった頃の文化の名残もあります。

現在お住まいまたはこれから住む予定の古民家でしっかり防音対策をしたいという方に向けて、古民家の防音リフォームの方法と、それぞれの費用相場を解説します。


古民家を防音リフォームする方法

古民家の防音リフォームは、主に「壁」「床」「窓」の3パターンです。

単体もしくは組み合わせて工事を行うことで遮音性が向上します。それぞれの方法と、リフォーム事例を見ていきましょう。


壁の防音リフォーム

壁の防音リフォームは、「壁の内側」と「壁の外側」の両方からのアプローチが可能です。壁の内側への対策としては、壁内部に遮音シート、遮音パネル、石膏ボードを設置する方法があります。


併せて、換気口を防音仕様のものに変えると、より遮音性を高められますが、これらをすべて施すのはかなり防音をしたい場合です。

一般的には、ボードの二重張りや断熱材を入れる程度でも暮らすうえでは問題はありません。


外壁の防音対策は、防音性の高い素材に張り替える方法があります。防音性に優れた外壁材として、パネル状にカットされた仕上げ材「サイディング」が挙げられます。

サイディングは種類が豊富で、騒音を劇的に低減させる機能を持ったものも開発されているので、そういった商品を選ぶといいでしょう。


また、張り替えではなく、今の外壁の上にサイディングを張る「カバー方法」という選択肢もあります。


床の防音リフォーム

床の防音リフォームも、いくつか方法があります。

まずは、床材そのものを遮音性の高い床材に交換する方法です。ナチュラルな床がお好みでしたら、無垢材に吸音材を貼り合わせた遮音フローリングを検討するといいかもしれません。


床材の下に遮音マットや遮音パネルを敷く方法もあります。

遮音フローリングと原理は一緒ですが、この場合、床材と遮音材が別になっているため、好きな床材を選べる良さがあります。

また、床材の下に断熱材としてもよく用いられる「グラスウール」という素材を敷き詰める方法もあります。


木材の質感にこだわりがなければ、防音性の高いカーペットを敷くだけでも有効です。たとえば、防音カーペットや防音ラグ、コルクタイルやコルクシートなどがあります。

カーペットの下に市販の遮音マットを挟めば、さらに防音性が高まります。


さらに2階建ての場合は、天井裏にゴム製の吊木を施し、2階の音が1階に漏れないようにする方法もあります。


窓の防音リフォーム

窓から侵入する音の多くは、サッシの隙間から入ってくるといわれています。そのため窓の防音リフォームでは、窓ガラスよりもサッシへの対策を重視すると効果的。


サッシの防音対策としておすすめなのが、二重窓(内窓)の設置です。

これは、今ある窓の部屋側の木枠部分にもうひとつサッシをつけて、文字どおり窓を二重にする方法のこと。ガラスには防音ガラスやペアガラスを採用すると、より防音効果を高めることができます。


今あるサッシを防音性の高いものに交換する方法もありますが、サッシ枠は外壁に干渉しているため外壁工事が必要に。

二重窓にするよりも費用と工期がかかるため、サッシを交換したときは、窓の位置を変えるなど大掛かりなリフォームの際に検討するといいでしょう。


古民家の防音リフォーム|費用相場

上記でご紹介した防音リフォームの費用相場をご紹介します。使う素材のグレードや古民家の状況によって金額は変わるため、あくまで目安の金額として参考にしてみてください。


壁の防音工事の費用相場

リフォーム方法費用相場
内壁に防音材を入れる7万~15万円(6畳1部屋あたり)
外壁をサイディングに張り替える1.5万円(外壁1㎡あたり)+20万円(付帯塗装代)+20万円(足場代)
外壁にカバー工法を施す1万円(外壁1㎡あたり)+20万円(付帯塗装代)+20万円(足場代)

外壁の防音は、使用する塗料の種類によって大きく幅があります。サイディング材も樹脂系や窯業系、金属系、木材系とさまざまです。

特に防音性があるのは金属系ですが、種類によって見た目の印象は大きく変わります。サイディングを施す際には古民家に合わせてデザインも重視しましょう。


床の防音工事の費用相場

床材や遮音材、工事にかかる費用の相場は以下のとおりです。

リフォーム方法費用相場
(6畳1部屋あたり)
遮音フローリングに張り替える16万〜25万円
床材の下に遮音マットを敷く20万〜30万円
床材の下にグラスウールを敷き詰める35万円〜
床材の下にスタイロフォームを敷き詰める約20万円

上記は一般的なケースです。床材や塗装にこだわったり、高性能な遮音材を使ったりすれば、その分費用はアップします。

また、床材をはがして下地が傷んでいれば、補修のための費用がかかります。


窓の防音工事の費用相場

窓本体と工事費用の相場は以下のとおりです。

リフォーム方法費用相場
(幅1,65cm×高さ2mの窓1箇所あたり)
二重窓の設置する15.5万円〜
※ペアガラスを採用した場合
サッシごと交換する20〜30万円
※工事費のみ

一般的な掃き出し窓にペアガラスの二重窓を設置したケースで15.5万円〜が相場です。

サッシごと交換する場合は外壁工事を伴うため、二重窓を設置するときの約2倍の費用がかかります。


古民家の防音リフォームはDIYできる?

古民家の防音リフォームを、DIYでチャレンジしてみたいと考えている方はいませんか。

家の構造に関わらない部分であればDIYは可能ですが、あまりおすすめはできません。

古民家は現代の住まいと規格が異なるため、資材がオーダーメイドになることが大半です。手間がかかるのはもちろん、意外に費用もかかってしまいます。


また、天然木の調湿機能によって木材が膨張・収縮したり、経年劣化によって建物が歪んだりしていることも多いため、工事には高度な技術が求められます。

相応の労力と時間を費やしたのに満足のいく仕上がりにならないことが多いのです。


以上の点から、古民家に精通したリフォーム会社に任せたほうが、手間、労力、時間、仕上がりのすべてにおいて満足度は高くなるでしょう。


古民家の防音リフォームまとめ

古民家の防音リフォームにはさまざまな方法があるので、その古民家に合った方法を選びましょう。また、防音リフォームに使う材料は、断熱性能も併せもっていることが多いです。

そのため、防音と断熱の両方をカバーできるリフォームを行うと、費用と工期を抑えられます。


ハレノヒ住まいでは、古民家鑑定士資格をもつ設計士が対応させていただくので、多種多様なご提案が可能です。

どんな些細なことでも構いませんので、ぜひお気軽にご相談ください。

お問い合わせはこちら
054-282-6681

営業時間 9:00-18:00(定休日:日曜日)