家屋や土地を保有しているとかかる固定資産税。現在は誰も住んでいない古民家でも、基本的には固定資産税が発生します。
固定資産税の求め方や注意点を解説するので、古民家を既にお持ちの方や取得予定の方はぜひ参考にしてください。
古民家の固定資産税は所有者に送られる納税通知書を確認するのが最も早く正確な方法ですが、計算で求めることも可能です。計算方法もご紹介するので、併せてご確認ください。
「納税通知書」は毎年4~6月頃、その年の1月1日時点に空き家を所有している人のもとへ、各自治体から送られます。
固定資産税の年間額が記載されているので、正確な金額を確認できます。
相続のタイミングなどによって手元に通知書がない場合は、前の所有者に確認してみましょう。
納税通知書が見つからない、手元にない場合で、早く固定資産税を知りたいという方は、算出することも可能です。
固定資産税は、次の計算方法で求められます。
固定資産税=固定資産評価額 × 1.4% |
固定資産評価額とは、税額計算の基礎になる金額を指します。
確認方法は2つあり、ひとつは納税通知書と一緒に送られる「課税明細書」の「固定資産税課税標準額」の欄を見る方法です。
納税通知書は無くしてしまったけれど明細書は手元にある、という方は確認してみましょう。
もうひとつは「固定資産税台帳」を閲覧する方法です。ただし閲覧できるのは空き家の所有者、相続人、借地人などに限られ、本人確認書類や手数料が必要になります。
古民家を建て替えたり増築したりすると固定資産税が上がることもありますが、築年数が経っているのでそれでも現代家屋よりは安くなります。
非課税になる場合も含め、古民家の固定資産税について押さえておきたいポイントを確認しましょう。
家屋の評価額が20万円未満の場合、固定資産税は非課税になります。固定資産の評価額は3年ごとに更新され、築年数が経つにつれ税額は下がるのが原則です。
ただし、木造家屋は築20~25年経つと評価額が据え置かれ、その後は基本的に下がりません。
固定資産税には「住宅用地の特例」制度があります。これは「人が住むことを目的にした住宅を建てるために利用する土地の固定資産税が軽減される」というものです。
区分 | 固定資産税 |
小規模住宅用地 | 6分の1 |
大規模住宅用地 | 3分の1 |
空き家も特例の対象になるので、土地の税金は軽減されます。
古民家を建て替えると新築扱いになるので、固定資産税は上がります。また増築や移築でも固定資産税が上がることがあります。
一方リフォームやリノベーションなら上がることは少ないです。
古民家の場合、昔に調査された固定資産税のままになっている可能性が高いです。
その場合、屋根の面積や納戸などが固定資産税の課税面積に加算されているなど、市区町村の誤った調査に基づいた税額になっていることもあります。
固定資産税は、基本的に家屋の面積が小さければ安くなります。そのため、再度調査を依頼して計算ミスが見つかれば、固定資産税が下がるかもしれません。
固定資産税に加え、古民家の取得や維持には新築住宅と同様にさまざまな税金がかかります。
ただ、都市計画税や不動産取得税をはじめ、多くが家屋の固定資産税評価額をもとに求められるので、新築よりも評価額が低い古民家はいずれの税金も安くなります。
都市計画税とは、都市計画事業や土地区画事業の費用に充てられる市町村税の一種です。
「市街化区域」と呼ばれる、既に住宅や商業施設が立ち並ぶ市街地や、自治体の都市計画の対象になっている区域内に土地や家屋を持っている方に毎年課税されます。
都市計画税額=固定資産税評価額 × 税率 |
税率は自治体によって異なりますが、0.3%を超えることはありません。
不動産取得税は、不動産の売買や贈与、また新築・増築した方に課税される地方税です。
新築・中古住宅どちらにも課税されるので、古民家を相続した方も対象になります。
不動産取得税額=固定資産税評価額 × 税率(原則4%) |
古民家を含む中古物件には不動産取得税の軽減特例があります。中古物件でも新築時期が昭和56年以前以後で適用条件が異なるので、保有する古民家が対象になるか確認してみましょう。
印紙税は、「課税文書」に対して課税される税金です。印紙税法で定められている課税文書は20種類あり、例えば生命保険の保険証券も該当します。
契約書に記載された金額 | 印紙税額 (印紙代) |
100万円を超え500万円以下のもの | 2000円 |
500万円を超え1000万円以下のもの | 1万円 |
1000万円を超え5000万円以下のもの | 2万円 |
5000万円を超え1億円以下のもの | 6万円 |
1億円を超え5億円以下のもの | 10万円 |
不動産売買契約書と住宅ローン利用時の金銭消費賃貸契約書に必要な印紙税は、売買代金や融資金額などによって異なります。
住宅購入時には、法務局にある登記簿に土地や建物の所有権を記録する手続きを行ないます。
この登記手続きの際、国に納めるのが登録免許税です。
登録免許税額=固定資産税評価額 × 税率 |
税率は登記の種類によって異なり、中古住宅などの所有権移転登記にかかる税率は2.0%です。
住宅購入時に消費税がかかるのは、新築住宅の購入や新築リフォームの場合に限られます。そのため売主が個人の古民家を含め、中古住宅には消費税がかかりません。
ただし、中古住宅でも不動産会社がリフォームして販売する際は課税されます。
また、消費税は原則としてモノやサービスの購入に課税されるので、土地分の価格は課税対象にはなりません。よって、住宅購入にかかる消費税は以下となります。
消費税額=建物価格 × 税率(10%) |
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建物の固定資産税は、最低課税額はあるものの築年数が経つにつれ低くなります。
建て替えや増築、移築を行なうと上がることもありますが、基本的に古民家の固定資産税は新築に比べ安いです。
古民家の取得や維持には固定資産額以外にも「都市計画税」などの税金がかかりますが、多くは固定資産税と同様、「固定資産評価額」が分かれば算出できます。
まだ取得していない古民家でも、所有者の方との交渉次第で評価額を確認できるので、気になる方は諸々の税額を計算してみましょう。
ハレノヒ住まいには古民家鑑定士が在籍しており、固定資産としての価値判断に加え、実際に生活することを見越した文化的な側面からも鑑定が可能です。
ご要望や資金計画に応じて適切なリノベーションをご提案しているので、古民家をお探し中の方も、既に相続した方も、ぜひご相談ください。