• 古民家の基礎知識

古民家の探し方とは?快適に暮らせる古民家探しのポイント

「念願の古民家暮らしを始めたいけれど、どのようにして物件を探したらいいのかわからない」という方はいらっしゃいませんか。古民家は一般的な売り物件や賃貸物件より供給量が少なく、チャネルも多方面にわたるため、探し方に迷ってしまうことが少なくありません。

この記事では、古民家を探す方法をはじめ、物件を選ぶときのポイントや注意点などを解説します。

古民家の探し方


古民家を探す方法は、以下のの5通りです。詳しく見ていきましょう

●不動産会社に相談する
● 不動産情報サイトで検索する
● 行政に相談する
● 民間団体やNPO法人を利用する
● 自分で探す

不動産会社に相談する

すでに住みたい地域が決まっている場合は、その地域でネットワークを持っている地元の不動産会社に相談するのが近道です。地域によっては、古民家物件を専門に扱う不動産会社もあります。

地域密着の不動産会社に相談するメリットは、その土地の特徴を熟知していること。古民家は土地の風土に合わせて建てられていることが多いため、土地の特徴を把握している不動産会社であれば、古民家の状態や価値を的確に見極められます

また直接相談することで、物件情報サイトには載せていない未公開物件を紹介してもらえることも。コミュニケーションをとりながら進めていくのがポイントです。

不動産情報サイトで探す

賃貸物件を探す際などに不動産情報サイトを利用されたことのある方は多いのではないでしょうか。

大手の不動産情報サイトには、数百万におよぶさまざまな物件が掲載されています。広い地域の中からあらゆる物件を選べる点は大きな魅力です。気に入った物件があれば、サイト上から不動産会社に問い合わせることもできます。

ただし物件情報は多いものの、一般的には新築や築浅物件の人気のほうが高いため、古民家の場合は探しにくいと感じることも。検索条件を工夫しながら探していきましょう。

行政から紹介してもらう


自治体が運営する「空き家バンク」や「移住定住ポータルサイト」も有力な方法のひとつ。地方自治体の空き家バンク制度は、空き家の所有者と、空き家を借りたい・買いたい人とをマッチングさせるサービスです

空き家を手放したい所有者が自治体の空き家バンクに登録し、自治体はその情報をホームページや移住定住ポータルサイトなどで公開します。空き家バンクは空き家問題の解消や移住定住の促進が目的のため、相場より低価格で住宅を購入・賃貸できる良さがあります。

ただし、自治体が行うのは情報提供のみなので、契約や交渉は購入希望者が所有者と直接行います。専門業者に比べると不動産にはあまり詳しくない人同士の取引となる可能性が高いです。自治体によっては地域の不動産会社と提携している場合もあるので、円滑な取引のためにもこうした仕組みを事前にチェックしておきましょう。

民間団体・NPO法人を利用する

民間団体やNPO法人などの協会が運営するサービスを利用するのもおすすめです。全国を対象としたサービスには以下のようなものがあります。

● 住まい教育推進協会が運営する物件情報サイト「古民家住まいる」 
● 日本民家再生協会が運営する「民家バンク」
● 全国古民家再生協会が行う「古民家の相談」

いずれも古民家を専門としており、物件情報のほかにも古民家にまつわるさまざまな情報を発信し、相談を受け付けています。

古民家の売買では、古民家鑑定士などの有資格者や協会登録事業者 が建物調査を行うことを推奨しているため、安心して古民家を購入できるでしょう。詳細は各協会のホームページをご覧ください。

「古民家住まいる」公式サイト>>
「日本民家再生協会 民家バンク」公式サイト>>
「全国古民家再生協会」公式サイト>>

自分で探す

自分で探す際は、家族や親戚、友人などに普段から「古民家を探している」と伝えておくのがポイントです。知り合いからの紹介であれば、安く購入できることもあるかもしれません。

また、住みたい地域を実際に歩いてみたり、離れた場所ならgoogleストリートビューを使って探索してみたりするのもひとつの方法です。地域の風土や古民家の特徴を知ることができ、暮らしをイメージしやすくなります。

売り物件や賃貸物件には不動産会社の看板が設置されているはずですので、気になる物件を見つけたら問い合わせてみましょう。業者やサイトを通じて探すよりも時間がかかる可能性が高いので、先にご紹介した4つの方法と並行して行なっていくのがおすすめです。

古民家差し上げますって本当?無料で譲り受ける物件にかかる費用>>

古民家を探すポイントと注意点


実際に古民家を探すときに押さえておきたいポイントや注意点をご紹介します。いずれも快適な古民家暮らし・田舎暮らしを始めるときに役立つ情報です。

まずどの地域に住みたいのかを決める

まずは地域を決めるのが先決です。思い出の土地や憧れている土地など、住んでみたいと思う地域をいくつかピックアップしてみましょう。googleストリートビューを活用するのもいいですね。

そのうえで、下記の点を考えてみましょう。

● 気候、自然環境
● 医療、教育環境
● 距離や交通アクセス
● 仕事の充実度

気候や自然環境、医療や教育環境は、暮らしやすさや生活の質を保つために重要な要素です

また、田舎暮らしを希望される方も、都市部へのアクセスを考慮しておくと、ライフスタイルが変わったときに対処しやすくなります。パートナーがいる方は、お互いの実家の中間点となるエリアを選ぶのもいいでしょう。

そして、転職を伴う場合は引っ越し先でやりたい仕事があるかも重要になってきます。

便利な定住・支援制度がないか確認する

昨今では、多くの自治体が定住支援政策を設けています。住まいに関する支援制度も豊富なので、ぜひ有効活用していきましょう。たとえば、以下のような支援制度 が挙げられます。

● 家賃助成金制度
● 定住住宅取得補助金制度
● 住宅修繕費用助成金制度
● 定住促進住宅制度(一定期間住むことを条件に、土地・建物を無償譲渡)
● 浄化槽設置の補助金制度 など

戸建ての購入やリフォームにおける補助金や助成金制度では、支援額の上限が100万円を超えるものも少なくありません。そのほか、家賃1万円以下の空き家や売買価格200万円以下の空き家など、低コスト物件を取り扱う自治体もあります。

ただし、制度の有無や制度の要件は各自治体によって異なります。詳細は自治体のホームページをご確認ください。

移住先の生活環境をチェックする

住みたい場所が決まったら、一定期間滞在・居住をしてから正式に古民家を探すと失敗が少ないです

観光に行って一定期間滞在したり、可能であれば賃貸物件を借りたりして一定期間住んでみるのがおすすめです。自治体の中には、事前予約をすれば安価に借りられる「定住おためし住宅」 を用意しているところもあります。

先にご紹介した気候や自然環境、医療や教育環境、交通アクセスなどは、やはり実際に住んでみないとわからない部分があります。暮らしてみると、日常生活の買い物が不便、光熱費やガソリン代が思ったよりかかるなど、様々な課題が見つかるものです。

可能であれば実際にその地域に住んでみて、問題ないと判断できてから気に入った古民家を購入すれば、より納得したうえで購入できるでしょう。

お金と時間に余裕をもって探す

古民家は、物件によって建物状態が大きく異なるもの。ほとんどの物件でリフォーム・リノベーションが必要となるため、購入資金のほかに改修費用や解体費用も見込んでおきましょう。たとえば、以下のような工事が必要になることが多いです。

● 耐震補強や断熱工事
● バリアフリー化工事
● 水回り設備の交換
● セキュリティ設備の追加

新築・中古、リフォームを問わず利用できる税制制度「住宅ローン控除」も、古民家の場合は適用外になってしまうことが多いです。2022年度の税制改正 では、既存住宅の場合、昭和57年以降に建築された住宅(新耐震基準適合住宅)であることが条件とされています。

また、古民家は一般的な物件と比べて供給量は多くないため、住みたい地域で理想的な古民家に巡り合うには、それなりの時間がかかります。物件探しのスケジュールは、余裕をもって立てていきましょう。

古民家で住宅ローンは組めない?控除される条件も解説>>

古民家の劣化具合や耐震性は入念にチェックする

多くの古民家は現行の新耐震基準をクリアしていないため、耐震性に不安を感じている方は多いかもしれません。しかし、築100年超の古民家が存在するように、古民家だからといって必ずしも耐震性に劣るわけではないのです。

古民家は現代住宅とは異なり「伝統構法」という手法で建てられていることが多く、伝統構法は地震の揺れを逃して倒壊を防ぐ「免震構造」になっています。ただし、木材が劣化すれば耐震性は弱くなるもの。耐震に影響する劣化がないかは十分に確認しましょう。

また、古民家は湿気で木材が腐らないよう、通気性を重視した造りになっています。そのため、 どの程度断熱性があるかは事前にチェックしておくことが大切です

耐震性や断熱性は快適な生活を送るための重要な要素ですから、しっかり確認しておきましょう。

古民家の耐震性と耐震補強の方法とは?費用目安も解説>>

農地付き物件の購入には農家資格の取得が必要なので注意


古民家暮らしを始めたい方の中には、農地を手に入れて家庭菜園にチャレンジしたいという方も少なくありません。しかし、「農地付き物件」を購入する際は、農業法により各市区町村が発行する「農家資格」の取得が必要になる点に注意しましょう。

手続きの負担を減らしたいときは、「農地付き空き家制度」の利用がおすすめです。これは、空き家と農地がセットになった物件で、自治体の空き家バンクで紹介されていることが多いです。この制度を利用すると、農地の取得に必要な条件が緩和されます。

取り入れている自治体はまだそれほど多くありませんが、農業に興味のある方は一度チェックしておくといいでしょう。

古民家の探し方まとめ


古民家を探すときは、通常の物件探しとは異なるポイントや注意点があります。自治体の支援制度も上手に取り入れ、無理のない古民家暮らしを実現させましょう。

ハレノヒ住まいでは古民家のリノベーションはもちろん、物件探しからお手伝いすることが可能です。古民家鑑定士、伝統再建士の有資格者が丁寧にサポートいたします。

静岡県は移住したい都道府県ランキングでも上位に上がる県です。静岡で田舎暮らしを始めたい方は、ぜひ一度ご相談ください。

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