照明をひとつ変えるだけで、大正ロマンな雰囲気になったり、洋風のテイストが加わったりと、お部屋の印象はガラッと変わります。
古民家リノベーションの一環に、住まいを引き立てるこだわりの照明を探してみませんか。今回は、古民家リノベーションの照明の施工事例や、梁や玄関などに照明を設置する際の注意点、古民家に合う照明とはどういったものか解説します。
古民家をリノベーションする際には、照明にこだわるといっそう趣のある住空間に仕上がります。当社の施工事例をご紹介します。
深みのあるブラウンを基調としたシックな空間に、アクセントとして球体のペンダントライトを設置しました。現代では珍しく新鮮な印象がありますが、昔は家庭で広く使われていました。落ち着いた古民家の住まいに調和するあたたかみがあり、レトロな雰囲気にもなります。
ペンダントライトはシンプルな見た目のものが多いですが、切子細工などの装飾が付いていたり、オパールガラスで作られていたりするものもあります。オパールガラス製の照明は宝石のオパールのように、見る角度や光の当たり方で色合いが変化するのが特徴です。
照明を点けていなくてもオブジェのようにインテリアとしてお部屋を美しく彩ります。下から見ても光源が目に入らないので、寝室にも使いやすい照明です。
清水区のM様邸です。リノベーションではなく建て替えになりますが、既存の部材を再利用して古民家の趣を残した居住空間に仕上げました。
梁の濃いブラウンに合わせた縁取りのペンダントライトが、落ち着いた古民家にもマッチしています。平たく大きなサイズのものを使い、家族が集まるリビングがいっそう明るい空間になりました。
一般的に、リビング1畳あたりで推奨される明るさは、白熱電球30~40Wです。
10畳の場合は320~400Wが必要になるので、60Wの白熱電球なら6~7個を使用することになります。これを全てペンダントライトでまかなうと、広さ次第では圧迫感が生まれてしまうことも。
そこで、天井に埋め込むダウンライトを使用し、すっきりした印象に仕上げました。レトロな雰囲気を出すためにペンダントライトを併用する際も、一部をダウンライトにすると部屋が広く見えるので、開放感も生まれます。
古民家につける照明には、空間に合ったデザインの検討や、大きな屋根や軒・梁や高い天井といった古民家ならではの構造を踏まえた設置計画が欠かせません。古民家リノベーションで照明を取り付ける際のポイントをご紹介します。
梁が天井よりも低い構造では、天井に照明を付けると大きな梁の影が落ちることがあります。古民家は天井が高い場合が多いので、起こりがちな現象です。
そこで、ペンダントライトを梁より低い位置に設置したり、間接照明やスポットライトを併用したりして影を緩和させます。
一方で、あえて影を残して光の濃淡を楽しむ方法もあります。梁の上にスポットライトを置くと梁の影が薄くなりつつ、ふんわりと床面に映るので、リラックスできる落ち着いた雰囲気になります。
好みに合わせて、古民家の構造を踏まえた照明計画を立てましょう。
あたたかみのある丸い壁付け照明は、古民家のすすけた壁にも映えるデザインです。壁からアームが伸びているものと、壁に直接球体がついているように見えるものの2種類があります。
アーム付きは、高い位置に取り付けても光源が下に近づくので、靴の脱ぎ履きで手元や足元を照らす際に便利です。
一方アームなしは、どんなテイストにも合うすっきりとしたデザインで、玄関全体を柔らかく照らします。
どちらも建具の上に付ければ、レトロ感がアップ。伝統的な住まいの入口には、アンティークな壁付け照明がよく調和します。
照明を安全に使用するために、特にアンティーク照明を購入する際は店舗で電気用品安全法(通称:PSE法)に基づいた自主検査を行っているかを確認しましょう。
PSE法は電気用品の危険や障害の発生を防止するために、製造や輸入、販売時の規制などを定めた法律です。第8条「基準適合義務」では、電気用品の製造または輸入を行なう事業者に対し、(自主)検査を行ない、検査結果を記録し保存する義務が記載されています。
アンティーク照明を販売する店舗の場合、製造や輸入ではない限り検査は義務ではありません。ただ検査を行なっているアンティークショップもあり、検査済みの商品には「PSEマーク」が付いています。
自主検査では外観検査、通電検査、絶縁耐力検査で1点ずつチェック。結果に基づいて使用電球の推奨ワット数も記載されるので、電球も選びやすくなります。
大きな屋根や軒が特徴的な古民家は、現代の住宅に比べて光が入りづらい構造になっています。なかでもキッチンは、リビングなど他の居室と比べると暗い傾向です。
そこでキッチンの照明には、光を通しやすいガラス製の照明を使いましょう。また色味は黄色やオレンジを選ぶと料理がおいしそうに見えるので、古民家を改装してカフェにする場合などにもおすすめです。
>古民家のキッチンをリノベーション!おしゃれな施工事例をご紹介
照明には和風から洋風までさまざまなデザインがあります。特に近年、ダウンライトでも調色が可能になるなど、機能・デザインともに多様化しています。和のテイストが強い古民家でも、和風な照明が一番合うとは限りません。
例えば和室にあえて現代的な照明を合わせると、個性的かつ洗練された見た目になります。古民家に合うデザインを選ぶポイントをご紹介するので、参考にしてください。
古民家のペンダントライトには、レトロな雰囲気溢れる丸いデザインや裸電球がおすすめです。漆喰の壁に茶色の柱という落ち着いた色味の部屋を暖色の光で照らすと、照明や電球の丸い形と相まって、あたたかみのある空間になります。
一般的によく見る木目調の和風シーリングライトも良いですが、スポットライトを取り付けると部屋全体が和モダンな雰囲気になります。明るすぎず落ち着いた空間になるため、リビングやダイニングの照明としておすすめです。
また、和紙を使った純和風なシーリングライトも、古民家の雰囲気によく馴染みます。
ダウンライトは、木枠を取り入れたデザインを選ぶと部屋の木材とも相性が良く、天井のアクセントにもなります。
ダウンライトは主に水平天井に使用されますが、近年登場した「ユニバーサルダウンライト」は角度調節機能が付いているので、傾斜天井にも取り付け可能です。
場所を取らないのでペンダントライトなどと併用できるうえ、部屋全体を照らせるように配置して、主照明として用いることもできます。
フロアランプ(スタンドライト)は、和風から洋風まで特にデザインが豊富です。さまざまなテイストのお部屋にマッチします。和紙灯篭を置いて和の雰囲気を強調することも、アンティーク調のスタンドライトを置いて和モダンを演出することもできます。
照明を複数ちりばめるだけでも部屋全体に陰影が生まれ、ほっと落ち着く空間づくりが可能です。明るさが十分でも、ひとつ増やすだけで簡単に部屋の雰囲気を変えられるので、インテリアとしても重宝します。
玄関に設置する壁付け照明には、定番の球体型のほか、笠型や円柱型など多様な形があります。特に円柱型は高さ20cm、幅10cmと小ぶりなものが多いので、玄関以外にも洗面所など、限られたスペースで使用しやすいでしょう。
モザイク柄やステンドグラスがあしらわれたものなど、デザインも豊富です。カラフルなものを取り入れると、明かりを点けていないときもインテリアとして活躍します。
古民家は現代住宅と比べて暗くなりやすいので、梁と天井の位置やキッチンの場所など、物件の構造を踏まえた照明計画が大切です。
「PSEマーク」が付いた商品を選び、デザインと安全性、両方に気を配りましょう。ハレノヒ住まいはお家の雰囲気に合った照明をご提案しています。古民家リノベーションで照明選びに迷っている方は、ぜひご相談ください。