豊かな自然に囲まれ、ゆったりとした時の流れを感じられる古民家暮らし。
設備や環境が現代の住宅と異なる分、実際に生活するときにはいくつかの注意点もあります。
今回は憧れの古民家暮らしで失敗しないための注意点や、物件探しの方法、移住前にしておきたい準備のポイントも解説します。
快適な古民家暮らしを実現するには、移住後の計画も含めた万全な準備が必要です。
事前に確認しておきたい、物件探しや資金計画のポイントをご紹介します。
古民家を紹介している窓口は、主に自治体による「空き家バンク」、施工会社や不動産会社といった地元の事業者です。
それぞれの特徴を解説します。
空き家バンクを活用する
各自治体が運営している「空き家バンク」では、所有者が貸出や売却を希望している空き家を、今後利用したいと考えている方に紹介しています。
「静岡市空き家情報バンク」は無料で登録でき、全国から閲覧可能です。
物件によっては「静岡市空き家事業補助金交付制度」を利用できるケースもあります。
以下、静岡市の公式ホームページでも空き家バンクや補助金についての詳細が記載されているので参考にしてください。
地元事業者に相談する
希望のエリアがある場合は、その地域に根差した事業者に相談するのもおすすめです。
一般的に家探しと言えば不動産会社に依頼するものですが、古民家の場合はリノベーション会社が物件提案までできる場合があります。
物件探しも行なう施工会社に依頼すれば、購入後に必要なリノベーションについてもアドバイスしてもらえます。
古民家は広い土地が付いて数100万円など、比較的安く購入できます。また、建物自体が安く評価されるおかげで、固定資産税も安く済みます。
ただし、経年劣化した配管等の設備の修繕、大規模なリノベーション(リフォーム)が生じることも珍しくありません。
そのため、購入後のメンテナンスやリノベーション費用は嵩みやすくなります。
資金計画は、購入後のリノベーション費用も含めて立てることが重要です。
古民家には現代住宅とは異なる、古民家ならではのデメリットがあります。
事前に把握しておくべき注意点は以下の通りです。
・冬場は寒くて不便
・シロアリや害虫問題が発生
・耐震性のリスク
・ご近所付き合い
それぞれについて詳しく解説します。
古民家は、屋根が高く暖かい空気がこもりにくい、隙間風が入り込みやすいなどの構造的な理由で、冬場は冷え込みやすいのが特徴です。
天井・屋根裏や床下に断熱材を入れたり、二重窓にして隙間風を防いだりと、断熱リフォームで寒さ対策をする必要があります。
古民家の断熱リノベーションについては以下の記事で詳しく解説しています。
寒い古民家をリノベーションで断熱!ポイントや費用相場を解説>>
古民家は木造なので、木の幹に含まれる「セルロース」を栄養にするシロアリが発生しやすくなっています。
シロアリが住みついて柱などを食べてしまうと、家の強度が大きく低下する危険もあります。
対策としては、栄養源となる木材や紙製品を床下や庭先に置かないこと。
また、シロアリは「光や風が通りにくい」「暖かい環境」などを好むため床下暖房もなるべく避けるのが効果的です。
古民家のある田舎の環境では、シロアリ以外にもネズミや他の害虫も出やすくなります。
害虫・害獣の問題は、不動産購入時の重要説明事項には含まれていません。
古民家鑑定士に診断を依頼するなどで事前に確認し、住む前に適切な駆除を行いましょう。
一般的に、「古民家」とは築50年以上が経過した建物を指します。
日本の建物の耐震基準は1981(昭和56)年、「旧耐震基準」から「新体制基準」に変更され、震度6~7程度の大規模地震にも安全を確保できる、より厳しい基準になりました。
古民家は「旧耐震基準」の建物に分類されますが、耐震補強工事を行なえば耐震リスクを軽減できます。
耐震リフォームには補助金を使えることもあるので、補強工事をされていない古民家で生活を始める前にはぜひご検討ください。
月に1回の常会や草刈り、掃除など、田舎暮らしではご近所の方々との関わりが多くなる傾向があります。
都市部に比べると密接な付き合いとなるため、対人関係に不安がある人、周囲の人に干渉されたくない人などは注意が必要です。
理想の古民家暮らしを実現するためにしておきたい準備をご紹介します。
一口に「古民家暮らし」といっても、生活基盤をすべて古民家に移すほか、古民家を別荘のように活用して現在の自宅と行き来するスタイルもあります。
まず自分が古民家でどういった暮らしがしたいか、古民家をどう使いたいかについてよく検討しましょう。
例えば家庭菜園用に購入するなら、永住の場合よりも小さな物件で十分であるように、用途に応じて必要な敷地面積や設備も変わっていきます。
資金やお仕事の状況も踏まえながらライフスタイルを検討しましょう。
古民家には長年放置されていたものも多く、経年劣化が進んでいることは珍しくありません。
物件を内見する際は、劣化が前提と捉えたうえで各設備をチェックします。
トイレが水洗化されていなかったり、上下水道が接続されていなかったりすることがあるほか、建築当時から改築をしていなければ、柱の腐食や傾きなど、耐震性に問題がある可能性もあります。
古民家に関する専門知識をもった施工会社などに同行してもらうのがおすすめです。
物件の状態に加え、目には見えない周辺の環境も事前に調査しておくことが大切です。
地域によっては、電波が入りにくい場合もあります。
移住後も利用する予定の方は、内見時に携帯電話やネットの接続も必ず確認してください。
また、地域住民間での交流が盛んな田舎暮らしでは、移住後ご近所さんと関わる機会が増えることが予想されます。
住民同士の交流頻度やご近所さんの様子も予めチェックしましょう。
物件の状態や施工範囲にも寄りますが、古民家のリフォームには数千万円の費用がかかることもあります。
銀行からお金を借りる方法もありますが、築年数が多い古民家の場合、担保価値を低く見積もられるケースがあり、新しい住宅よりも借りられるお金が少なくなりやすいです。
自分たちの貯蓄である程度まかなえるように、余裕をもてる程度の貯蓄をしておきましょう。
古民家は購入時の金額こそ安いものの、その後のリノベーションに大きな費用がかかることが多いです。古民家暮らしを始める前に、予算やその後のライフスタイルなどを入念に計画しましょう。
本格的に移住を始める前に、一度古民家の暮らしを体験してみたいという方には、自治体が運営している「お試し移住」を試す方法もあります。
静岡県でも、数日~1ヵ月ほどの期間で移住希望先にお試し滞在できる事業を実施中です。移住後のイメージが湧きやすくなるほか、実際の移住時に必要な準備の参考にもなるでしょう。
ハレノヒ住まいは古民家の物件探しからリノベーションまで、はじめての古民家暮らしをいちからサポートしています。
静岡の物件を多数扱い、担当者は古民家鑑定士の資格も取得済みです。
古民家の施工経験を踏まえ、ご希望に沿った物件をお探しします。
資金計画のご相談もお受けしていますので、ぜひお気軽にご相談ください。