• 古民家の基礎知識

古民家をリノベーションして住むメリット・デメリットとは

近年、古民家で田舎暮らしをするために地方へ移住する人が増えています。都会の忙しさから離れ、自然に近い場所で暮らしたい。そんなニーズが高まっているようです。

快適な生活を送るためには古民家のリノベーションが必須となりますが、これにはメリットとデメリットが存在します。

この記事では、リノベーションをする場合に知っておきたいメリット・デメリットを具体的に解説します。さらにデメリットを回避するための対策方法についても紹介します。

古民家暮らしに憧れている、古民家リノベーションを検討している、という方はぜひ参考にしてみてください。


古民家リノベーションのメリット

古民家リノベーションは、家屋の強度を高めるだけでなく、快適性アップや節税対策など、さまざまなメリットがあることをご存じでしょうか。

ここではリノベーションによって得られる代表的なメリットをいくつか紹介します。


古民家にしかない落ち着いた雰囲気が味わえる

歴史のある旅館や日本情緒あふれる場所に行き、どこか心がリラックスした経験はありませんか?古民家にはそのような心落ち着く空間が備わっており、他の家にはない雰囲気を味わえます。

現在都会に住んでいる方や田舎の環境で育ってきた方は特に魅力を感じるポイントでしょう。忙しい毎日に疲れてしまった時の「心安らげる場所」として古民家を購入する方も多いようです。

また古民家は建物全体が木で造られています。木の独特な温もりは生活に癒しを与え、木の香りには疲労回復やストレスを緩和するリフレッシュ効果があることも研究結果で分かっています。

古民家をリノベーションすることで、昔懐かしい雰囲気を残したまま暮らしやすい環境作りを整えられます。


開放感のある広々とした間取りでの生活

古民家の特徴として、現代住宅よりも間取りが広い点が挙げられます。現代のように分厚い壁ではなく、仕切りが襖一枚な場合も多いので、、開放感たっぷりの空間でのびのびと過ごせるのが魅力です。

昔は大家族で一つの家に住む習慣があり、古民家のように広々とした家造りが基本でした。そのため部屋の数も多く、来客時には家族とのプライベートをしっかりと守れる点もおすすめです。襖を取り外すと、いくつもの部屋から一つの大広間を簡単に作れる柔軟性もあります。

都会暮らしであればコンパクトさを重視した家が大半なので、古民家のような開放感を求める方も多いでしょう。天井が高く奥行きのある空間は、圧迫感が少なく、仕事や作業の効率化がアップする効果も期待できます。


天然素材で体に優しい

古民家にはシックハウス症候群やアトピーの原因物質を含まない建材が使われています。建物の土台や柱は木から切り出した無垢材であるため、体に害を及ぼさない「健康住宅」である点がメリットです。

アレルギー反応を起こしやすい人はもちろん、五感がデリケートな赤ちゃんや妊婦さん、人間の何倍も嗅覚が優れているペットでも安心して暮らせるのが嬉しいですよね。

さらに柱や梁は再利用できるのでる、資源保護につながり環境にも優しい家造りを行えます。

現代の家は合板や集成材などの化学製品が使用されているため、知らず知らずのうちに体に悪影響を及ぼしてしまっているかもしれません。これから長く住むことを考えると、天然素材から造られた安心できる古民家を選びをおすすめします。


部材の耐久性が高い

古民家はもろくて危ないイメージを持っている方も多いでしょう。しかし古民家の柱や梁の建材には樹齢100年を超すような丈夫な木が使われているケースがほとんどです。土台となる部材の耐久性が高いと、建物全体の強度も上がります古民家は安全な家として考えてOKです。

その証拠に、多くの地震や自然災害を受けても倒壊していない古民家がたくさんあります。日本は地震や台風が多いですが、それに耐えてきたことが古民家の強固な耐久性を物語っています。

古民家に使用されている部材は、現在ではなかなか手に入らず入手困難です。希少価値が高いため、古民家の柱や梁を生かしたリノベーションはとても重要。もともとの部材を全て取り替えるのはなく、貴重な部分を残したままで改修できるといいですね。


建物の価格が安い

新築よりも購入費を安く抑えられるのも古民家のメリットです。

購入費が安い理由は、土地自体の価格が安く、さらに建物費はほぼゼロだから。古民家が建っているロケーションは都会から離れた郊外の場合が多く、田舎であればあるほど土地の価格は下がります。また築年数を重ねるごとに建物の資産価値は下がるため、築20年以上の古民家は建物分の費用がほとんどかかりません。

結果的に、古民家は新築物件よりもかなり安く購入できます。

ただし古民家はそのままの状態では耐久性や設備状態に不安があるため、適切なリノベーションを行わなければ住めません。もちろんリノベーションにはある程度の費用がかかります。それでも新築物件を購入するよりは安く抑えられるケースがほとんどです。


風通しがよく夏涼しい

夏場でも涼しく過ごせるのは古民家暮らしの大きなメリット。

主に鉄筋コンクリート造が採用された現代住宅は気密性が高いため、家の中に熱がこもりがちです。一方、木造家屋は風通しのよい開放的な住宅構造なので、室内の空気が自然と入れ替わり、エアコンがなくても快適な温度を保てます。

昔は現代のような冷房設備がなく、家造りによって夏の暑さを解消していました。熱の侵入を防ぐ茅葺屋根や直射日光を避ける長い庇・簾など、あらゆる箇所に工夫が見られます。また冷房設備にかかる電気代を抑えられるのも魅力ですね。

このように昔の人の知恵がたくさん詰まった古民家は、自然と暮らしやすい環境が整っているのです。


自分好みにデザインできる

古民家リノベーションは自分の好きなデザインにできるのもメリットです。建売住宅や分譲マンションはすでに建物の造りや間取りが決まっているため、どれも無難なデザインの印象です。

しかし古民家をリノベーションすれば、唯一無二のオリジナルな住宅を手に入れられます。建築にこだわりがある方や他と似たようなデザインはつまらない方にピッタリでしょう。

またデザイン性だけでなく、使用する建材や設備などの機能性においても、自分に合ったものへ変えられます。特に小さなお子様や高齢者がいる家庭であれば、それぞれの環境にぴったりの家造りは非常に大切です。

古民家リノベーションは独自のアイデアを最大限取り入れられるので、一般的な住宅と比較してより一層愛着が湧きますよ。


固定資産税が安い

固定資産税は築年数に応じて税率が変わります。建物が古くなると建物の資産価値が下がるため、それに伴って税率を引き下げる経年減価補正が行われるのです。

そのため築年数が長い古民家は固定資産税が安く済むメリットがあります。通常の建物には固定資産税評価額の1.4%がかかりますが、古い住宅であれば最大0.2%まで減額できます。築25年以上の古民家は、ほぼ全てが0.2%の税率となります。

住宅購入は安い買い物ではないので、税率が1.4%から0.2%まで下がるのは大きい差です。新築の固定資産税と比較して、約8割も安く引かれた額でよい、というのは非常に魅力的でしょう。

住宅購入費をできるだけ抑えたい方は、古民家を購入してリノベーションを行う方がお得と言えます。


古民家リノベーションのデメリット

古民家をリノベーションする場合、いくつかデメリットもあります。メリットばかりではなく注意点があることをしっかりと理解しておきましょう。

ただしきちんと対策を取ればデメリットの改善が可能です。ここではその方法についても詳しく解説していきます。


建物が劣化している可能性がある

築年数がかなり経っている古民家であれば、建物全体が劣化している可能性が高いです。その場合、改修工事を行うための手間と費用がかかってしまいます。

長年放置された古民家は、換気不足や雨漏りによって湿気がたまり、建物の柱や梁などの建材が腐っていることがほとんどです。表面上は損傷がなくても、骨組みの内部には劣化が見られる場合もありますので、細かい部分まで専門家にチェックをお願いしてくださいね。

また劣化した古民家ではシロアリが発生していることもあります。シロアリは家の土台となる建材を食い荒らすため、放っておくと建物の強度が著しく下がり、耐久性のない家屋になります。雨風に当たりやすい家の門や生垣などは、シロアリが発生しやすい場所なので特に注意しなければなりません。

対策として、まずは劣化していない古民家を探すのが1番です。家の土台が腐っている場合、復旧できないことはありませんが、大規模な改修工事が必要です。その分、時間や費用が増えるので、最初からなるべく劣化の少ない古民家を選ぶのがおすすめです。

シロアリがすでに発生している場合は、専門業者に害虫駆除を依頼してください。複数の業者に見積を取るといいです。購入後はシロアリが出にくくなるようなリフォームや定期的なメンテナンスを行いましょう。


耐震工事が必要な場合がある

古民家の多くは1981年に改正された新耐震基準を満たしていません。そのため新基準に適合するような耐震工事が必要です。

新耐震基準は、震度5強程度の地震では軽度の損傷、震度6~7程度の地震でも倒壊は免れられる厳しい基準となっています。日本は地震大国と言われるほど地震発生率が高いので、新耐震基準に合ったリノベーションはもっとも優先順位が高いです。特に築50年以上経過している古民家は要注意。

古民家の状態や規模によっては、耐震工事の費用がかなり高くなる可能性があります。しかし安心・安全に暮らすためには、多少費用がかかっても必ず耐震工事を行うべきです。

費用面で心配な方は、古民家リフォームに対する補助金制度の利用を検討してみてください。一定の条件を満たせば、耐震診断を無料で受けられたり、耐震工事にかかった費用を一部負担してくれ足りす制度です。

それぞれの自治体で独自に打ち出している制度もあるため、詳しくはホームページを確認してみてください。このような制度を有効活用し、工事費用の負担を少しでも減らしましょう。


古民家の耐震性と耐震補強の方法とは?費用目安も解説>>


普通のリノベーションよりも高額

古民家は一般的な住宅と比較してリノベーション費用が高くなる傾向にあります。

古民家の状態が良くない場合、柱と基礎以外を取り壊して一から作り直すスケルトンリフォーム工法が採用されます。全てを建て直すため、総工事費はかなり高額に。さらに建物の強度や状態によっては、耐震・防熱・防音といった改修工事も必要となるため、通常よりコストが上がってしまうのです。

また水回りが古いことも工事費用が高額な理由の一つ。築年数の古い古民家は現代の仕様と全く異なっている場合も多く、トイレやお風呂を全て取り換えなければなりません。水回りの工事は費用が高めなので余分にお金がかかります。

このようなデメリットへの対策として、上記と同じように状態の良い古民家選びが大切。さらにリノベーションを対象とした補助金制度の活用も検討してみましょう。

やみくもにフルリフォームするのではなく、何が本当に必要なのか優先順位をしっかりと付けてください。できるだけ既存のものを利用すれば、大幅に費用を抑えられますよ。


冬は寒い

前述したように古民家は夏は涼しいのですが、逆に冬はかなり寒いデメリットがあります。

風通しの良い構造なので、気密性がほぼゼロであり、冷たい外気が家の中にどんどん入ります。また断熱材が使用されていないことも寒さの原因です。

しかし寒さ対策をきちんと行えば、デメリットの改善が可能です。対処法として、断熱リフォームを検討しましょう。断熱工事で重要なのが「窓」。外の冷たい空気はほとんどが窓から侵入してくるため、断熱用の窓に取り替えるだけで室内の温度が大きく改善します。

また、古民家は基本的に夏場が涼しいので、一年を通して快適に過ごすためには、温かい地域の物件を購入した方がお得です。冬の寒さが厳しい地域以外の古民家を探すようにしてみてください。


住み始めるまでに時間がかかる

古民家をリノベーションする場合、建物検査・工事の打ち合わせ・設計・施工と長いプロセスを踏む必要があります。古民家を購入したからといって即入居できるわけではありません。

特に大規模リノベーションを行う場合や、築年数が経っている古民家を改修する場合は、工事に時間がかかり、住み始めるのがかなり先になる可能性があります。自分好みにリノベーションしてから住みたい場合は、どうしても時間がかかることに注意しておきましょう。

今すぐ住み始めたい方は、リフォーム済みの物件を探してみるのがおすすめ。ある程度キレイになっていれば問題ない、リノベーションにそれほどこだわっていない、という方にはリフォーム済み古民家の方が合っていると言えます。


セキュリティ面での不安がある

古民家はセキュリティが心配、と悩む方も多いでしょう。オートロック付マンションや二重ロック式玄関ドアと比較すると、たしかにオープンな造りなので防犯面では劣ります。

ただし古民家で泥棒に入られた事例は少なく、犯罪は発生しにくい傾向です。その理由は古民家の立地条件が関係していると言われています。古民家は基本的に田舎に建っており、外から来る人が少ないため、いつもと違うことが起きると非常に目立ってしまいます。そのため泥棒や強盗からは狙われにくいという訳です。

セキュリティ面に不安がある方は、目立ちやすい場所の古民家を購入するのがおすすめ。さらに古民家専用ホームセキュリティといった防犯設備を整えておくとより安心です。


虫が入ってきやすい

古民家は基本的に田舎に立地しているため、常に自然と近い環境です。そのため家の隙間や窓から虫が侵入しやすいのはデメリット。都会暮らしに慣れている方や虫が苦手な方は注意しておきましょう。

ゴキブリや蚊は夏場に多く、暑い季節にはストレスが溜まってしまうかもしれません。トイレの詰まりが原因で大量のチョウバエが発生することも。またシロアリ被害にも注意しなければなりません。

田舎に虫が多いのは仕方がないので、虫よけ対策が必要です。

ゴキブリやムカデには市販の殺虫剤やハッカ油スプレーなどが効果的です。ゴキブリキャップ、ムカデコロリという商品を置いておくのも良いでしょう。

蚊には蚊取り線香が1番。最近では独特の匂いが気にならないタイプも販売されているので、ぜひチェックしてみてください。


火災に弱い

古民家は木造住宅であり、火災に弱いデメリットがあります。空気が乾燥する時期や暖房設備を使用する冬場は特に注意しておかなければなりません。

古民家は一つ一つの部屋が広いので、火事が起こった場合に大部分が延焼するケースも。また茅葺屋根を使用した古民家はさらに燃えやすいため、全焼するリスクも十分に考えられます。

火災を防ぐ対策として、住宅用火災報知機や消し忘れ防止機能付きコンロを置きましょう。コンセントの差込口から発火する恐れもあるので、発火防止のコンセントプラグを使うのも火災予防策の一つです。

予算に余裕がある場合はオール電化リフォームも検討を。オール電化は火を使わないため火災のリスクを大幅に減らせます。ガスよりも光熱費を抑えられる点もメリットです。


デメリット対策をして古民家に住もう

古民家リノベーションにはたくさんのメリットがあり、古民家を購入する人が増えています。特に30代の男性からの需要が高く、リノベーションした古民家に住むのは今がチャンスです。

しかしメリットだけでなくデメリットも理解しておく必要があります。購入後に「こんなはずではなかった」と後悔することのないよう、デメリットを改善するための対策をきちんと行いましょう。この記事を参考に、対処方法を検討してみてください。

デメリット対策をすれば快適な古民家暮らしが実現しますよ。

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